2018年08月05日

退院後の生活

入院生活は結局2週間におよび、7月10日に晴れて退院となった。入院生活中、そのほとんどを車椅子と歩行器に頼っており自力でまともに歩かない日々だった。そのため体重が5kgも落ちており、また下半身のどの筋肉もなくなっていて筋肉のクッションなく直接骨に触れてしまうという貧弱な体になってしまった。2週間歩かないだけで自力で歩くための筋力すらなくなるのか、着陸直後の宇宙飛行士とはこんな感覚であろうか、としょうもないことを考えていた。

入院生活といえばおそらく幼稚園に入る前くらいに小児喘息で入院したことがあるようなうっすらとした記憶がある程度で幸いにもこれまでの人生であまり縁のない生活を送ってきた。そのため、今回の入院を得がたい体験をした、と解釈することもできないことではないような気がしないでもない。その得がたい入院生活では、介護とは完全に専門技能なんだなぁという当たり前のことを再認識させられた。入院前には妻が起き上がりを手伝ってくれようとしたりいろいろ気を使わせてしまったけれども、正直体を預けるのが怖かった。歴戦の看護師さんたちは多少こちらが痛もうとも、最節約な形で起き上がらせてくれたり車椅子に乗せてくれたりした。これは個人の努力でどうにかなるもんではなく、プロがシフトを組んで回すものだ。これを家族に押し付けてはいけない、と数週間要介護おじさん生活を経験して強く思った。

さて、病院食は最低限これだけ食っとけ、という程度の内容で、とてもこんなものを食べていては回復など及ばぬ、今はとにかく肉を食べて筋肉を戻さねば、と退院直後の夜ご飯に焼肉を食べに行った。ひさしぶりにいただくたんぱく質の塊は生きているという実感を思い起こさせた。どの肉も美味で素晴らしかったのだが、特にレバーを口にしたときの「今俺の体が必要としているのはこれだ」という衝撃は感動的だった。美味い不味いの基準でなく、体に足りていないものが今補給されたのだという確かな確信。食事においてあのときのレバーを超える感動はしばらくなさそうだ。

怪我の実態としては、入院時腰回りにたまった血中の膿の数値(CRP)が最初20近くあったということだった。これは腰の膿が全身の臓器に転移してたら敗血症で死んでたかもしれないレベルだ、と医師から聞いた。入院前に3週間近く痛み止めを飲んでごまかしていたのだが、この薬の副作用で肝臓に著しくダメージがあったそうだ(血中のγ-GTPなる数字らしい)。この肝臓でよく転移しなかったものだ、あと2〜3日入院が遅かったら死んでいたかもしれない、というような趣旨のことを言われた。

現在は退院から3週間以上が経過し、日常生活レベルの移動に伴いふくらはぎやももの筋肉が少し戻ってきている。しかしまだ大腿筋の付け根あたりに痛みが残っており、寝ている状態からの起き上がりに特に痛みを感じる。また、一日生活している中で午前中はそこそこ歩けていても夕方になると疲れて歩くのが辛くなるなど著しい体力の低下を感じている。退院後は1週間もすれば運動できるようになるだろうと軽く考えていたのだが、まだ階段の上り下りにすら疲労を感じるレベルである。

先日、退院後2回目の血液検査を受けた。血中の膿の数値は1を完全に切り、数値としては健常者レベルに戻っているという嬉しい結果だった。一応、体内の膿は駆逐されたと解釈してもいいらしい。一日一錠で続けてきた飲み薬についてももう飲まなくてもよいという診断が下された。ただ、まだ大腿筋の付け根に痛みが残っていて、この痛みが完全に抜けるにはあと2〜3ヶ月かかるかもしれないと言われてしまった。軽くシャドーくらいなら、と試しに動いてみたものの、ちょっと腰をひねるだけで痛みが出てしまう。この痛みがある限りは走れもしないしトレーニングもできない。練習できなくなってもう2ヶ月が経過している。ボクシングできない日々がこれほどまでにストレスになるとは思わなかった。体を動かすことができずアドレナリンも出てこないため、論文読み書きの集中力もガタ落ちである。研究するには練習して体を動かさなければならない。これはこの5年ほどで身についてしまった習慣で、完全に体に染み付いてしまった。あと2〜3ヶ月は低空飛行が続きそうだ。

飲み薬の終了許可が下りたものの、痛みがある以上まだ膿が抜け切っていないのでは、と疑いを消せない。ここで薬を止めてまた化膿してしまっては困るので、あと2週間は飲み薬を続けたいと希望したところ、気になるなら飲んでもよいという許可を得たため、まだ飲み薬は続けている。

一刻も早くまたジムに行き、疲れ果ててアドレナリンドライブが始まるまで練習できるよう復活したいものだ。
posted by かめふじ at 01:43| Comment(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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