2016年08月20日

『人間にとってスイカとは何か: カラハリ狩猟民と考える 』

僕はスイカが大好きです。誕生日が7月なんですが、ケーキよりもスイカの方が圧倒的に大好きなので、僕の誕生日は毎年ケーキでなくスイカ一玉でお祝いしてもらいました。
人間にとってスイカとは何か: カラハリ狩猟民と考える (フィールドワーク選書5) -
人間にとってスイカとは何か: カラハリ狩猟民と考える (フィールドワーク選書5) -

著者は20年以上もスイカの原産地の一つであるとされるカラハリ砂漠に赴き、狩猟民と生活をともにし、フィールドワークを続けている。本書はこの長期間に渡るスイカと人類の関わりに関する調査・研究の成果を紹介するものだ。スイカと言っても日本でのデザート的な甘い品種でなく、野生のスイカである。また、様々な品種があることを紹介している。その利用方法も水がめとしてのスイカ、スイカ鍋など食材としての利用、家畜の水、餌料としてのスイカなど品種ごとに様々である。

本書の終わりの方では、スイカととも移動生活する集落が、国の援助を得て井戸が整備され定住化・集住化が進む事例をレポートしている。そこでは、定住化によって人間関係に摩擦が起こりやすくなり、自殺や殺人を含む傷害事件などが増えてしまうといった指摘があった。水の供給源をスイカに求める生活は、スイカの出来不出来次第で柔軟に家の場所も移動していく。また、気に入らない相手がいれば別のキャンプに移動するという選択肢もあった。こうしたシステムが適度な距離感を保つことで、精神的なストレスを緩和していたのではないかという指摘である。もちろん定住化だけが要因なわけでなく、同時に入ってきた酒の流通によって暴力沙汰が顕在化したという面も大きいのだが、移動生活による対人ストレスの緩和という点は完全に定住化が固定された日本ではあまり意識しなかったところである。

また、本書は内容とは全く独立に、「第7回 日本タイトルだけ大賞」に輝いていた。まじめな内容ではあるが、とても面白い本で決してタイトルだけではないのだが、それでもやはりこのタイトルは誰が見ても秀逸だったのだなぁと思わされる。

日本一秀逸な書籍タイトルに『人間にとってスイカとは何か』
https://www.sinkan.jp/news/5478?page=1
posted by かめふじ at 14:12| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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