2013年01月31日

【論文】コイ科の系統と高度の適応

High altitude adaptation of the schizothoracine fishes (Cyprinidae) revealed by the mitochondrial genome zanalyses.
Li Y, Ren Z, Shedlock AM, Wu J, Sang L, Tersing T, Hasegawa M, Yonezawa T, Zhong Y.
Gene, in press.

 
分子系統解析でお世話になっている共同研究者のアザラシさんの最新作です。コイ科の分子系統と高所への適応がテーマ。この論文では、ミトコン一周データが出ているコイ科周辺の魚たちでまず系統樹を描き、そこで得られた樹形をバックボーンにしてCyt b領域だけしかデータのない魚類の系統も推定しています。バックボーンなしのCyt bのみの系統樹とバックボーンありの系統樹でどれだけ結果が異なるのかちょっと気になりますが、バックボーンがあるのとないのとで結果がそんなに変わらない分類群がある一方、全然結果が変わってくる分類群もあるそうで、データがミトコン一周出てるものがあるならせっかくだしバックボーンを入れて解析した方がよさげかもね、という感じだそうです。

準備中の論文もこの手法でイケるんじゃないかと相談中で、イスラエルの絡まない次弾は前回のMPEよりもっとエンターテイメントな論文にしたいと思っています。

どうでもいいことですがタイトルの最後、genome zanalysesとなんだか z が入っています。これは僕が知らないなんか新しい解析のことをzanalysisとか呼ぶようになったのか?とか思ったけどこれは編集の過程で生じたただの誤字だそうです。
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2013年01月30日

【論文】ウミガメに付着するヒル

Two new records of marine Ozobranchid leeches (Oligochaete: Ozobranchidae) in Taiwan
Tseng CT, Cheng IJ (2013)
Comparative Parasitology 80(1):105-109.

台湾で採れたウミガメに付着するヒルの報告

タイトルのまんまで特にそれ以上のことはないのですが、僕もフジツボのついでにときどこれらのヒルを採集することがあるので一応チェック。ウミガメに付くウミビルは Ozobranchus属というものらしいのですが、この属では9種知られているそうです。そのうち7種は淡水性、2種が海棲種だそうです。

この論文によればアオウミガメ・タイマイに付着するのがOzobranchus branchiatus、アカウミガメに付着するのがOzobranchus margoi、とうっすらと特異性があるようです。これら2種の判別も意外と簡単で、横に出ているビラビラの数が5対か7対かでわかるそうです。へー。

marine leeches.jpg
↑沖縄の定置網で捕獲されたアカウミガメの総排泄口にうなるほどついてるウミビル。アカウミガメだからOzobranchus margoiなのかな。今までフジツボばかり見ててあまりウミビルには注目していなかったのですが、今度からもう少し注目してみようと思います。ただウミビルはフジツボと違ってウネウネ動くしピンセットでつまみにくいから採集しにくいんだよね…
posted by かめふじ at 11:55| Comment(0) | 論文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月25日

【雑記】航海準備

2/1-8、クラゲの調査航海で乗船です。一週間後には東シナ海上を彷徨っているわけですね。
もともと定置網で調査していたものですから、それなりに船耐性がないわけではないだろうとは思っていたのですが、長くても4〜5時間で帰ってくる漁船と一週間以上乗りっぱなしの調査船とでは感覚も違うもので。前回の航海では吐くまではいかなかったものの、一回船酔いで手が震えて箸が持てない状態にまでなりました。まぁそれでもご飯は全部残さず食べたんですけどね。その昔、修士課程時代に乗せられた船はご飯が不味くて本当に嫌でしたが、今乗っている船はご飯が美味しいのでそこが救いです。というわけで今週は水曜からずっと航海準備の積み込みなどをしています。前回の航海は10月でしたが、2〜3月は荒れるので前回よりもツラそうな気配。そういえば定置網も2月頃はしょっちゅう「今日は荒れてるしお休みだ」と漁を中止にしていました。

さて、大型クラゲで雇われているはずの僕ですが、未だに一度も本物のエチゼンクラゲを見たことがありません。今度こそ、と期待はしているのですが2月はエチゼンクラゲは出ないそうで。

posted by かめふじ at 09:22| Comment(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月22日

【投稿】7回目

昨年、投稿日から査読に入るまで146日間も放置され結局リジェクトされた原稿を別のjournalに投稿しました。これで7回目の投稿になります。そろそろ受理されて欲しいものです。前回は査読者からのコメントはなかなか暖かい内容であったものの、editorの判断でリジェクト、という悔しい結果でした。

さて、投稿から146日放置というのはネットで仕事が進むようになった現代ではなかなか有り得ない事例だったと思います。普通は2〜3ヶ月の間に最初の査読コメントが返ってくるくらいだと思うのですが…。
というわけで、例の雑誌のeditorにはいい加減にしやがれメールを何度も送りました。だんだんムカついてきて最終的にはMcPeek et al. (2009)を引用して以下の図まで添付して
review.jpg
『いい加減にしろオラァ!!』とメールを送っていました。こんなことしてるから査読コメは暖かかったのにリジェクトされたのかもしれません。 …でも146日はムカつくよ。2ヶ月以上放置されたらそれくらいしていいと思うんだよね。


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posted by かめふじ at 19:04| Comment(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月21日

【雑記】お絵描き

昨年末に駆け込みアクセプトされたカメフジツボの分子系統論文がオンラインで公開されました。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1055790312004964
この雑誌ではGraphical abstractという、『写真で一言』的な要約を掲載することができます。というわけで以下の図をGraphical abstractとして採用しました。
GA.jpg

完全に個人的な意見ですが、「動物の絵が書いてある論文はいい論文」というか、なにかしら絵や写真が入っている論文はなんとなく読むモチベーションが上がります。というわけでフジツボと、宿主の動物達の絵を系統樹に挿入してみました。なかなかいい感じでそこそこ満足はしているのですが、フジツボの絵は僕が描いたものではありません。僕はこれまでフジツボの殻は全部写真撮影でやってきたので、自筆の絵はないのです。ここに載せた絵はいずれも過去の記載論文で使われたスケッチです。

一方、宿主の動物達はネットで拾った資料を元に自分で描いてみたのですが…特にマナティについては「おかしい」という厳しいご意見がありました。また、ザトウクジラもなんか体と目のバランスが悪い気がします。やっぱり僕は絵心がないなぁ、練習しないとなぁ…

というわけでゲッチョ先生の新刊を購入しました。
生き物の描き方: 自然観察の技法 [単行本] / 盛口 満 (著); 東京大学出版会 (刊)生き物の描き方: 自然観察の技法 [単行本] / 盛口 満 (著); 東京大学出版会 (刊)
さぁ絵を描くぞ。
posted by かめふじ at 15:45| Comment(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする